2023年10月1日 15:00 〜 2025年12月1日 15:00
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アディットバリュー株式会社
Booth Summary
「充分美味しいのに、これがほぼ無償で処分されているなんて…」
実は「おから」はが年間約70万トンも「廃棄物」として扱われています。
(おからは、豆腐を作る時にできる豆乳を搾った「搾りかす」のこと。)
その量たるや、使用した大豆(乾燥)の1.35倍にもなるといいます。これが年間で約70万トン!そもそもおからは水分が多過ぎて腐りやすく、賞味期限は、2~3日程度。そのため現在は仕方なく、生産者はその多くを捨てざるを得ない状況になっています。
驚くことに、そうして出てきたおからの食用での利用率は、なんと1%(7000トン)程度。70万トンのほとんどは、豆腐屋から農業や牧畜業者などに無償で引き渡され、肥料にするか、飼料にするか、はたまた処分代を支払って廃棄するかになっている。
お豆腐屋さんがお金をもらえる、有償やり取りのケースはほとんどなく、処分代が月10万円以上かかるケースも多いんです。また、おからは現在、産業廃棄物として扱われていて、廃棄についてトラブルになった事もあります。「おから裁判」なるもので、最高裁にまでもつれこんで争われています。
当時、お豆腐屋からお金を受け取っておからを集めていた業者がおり、飼料や肥料として処理できる能力以上に集めたがゆえに腐らせてしまい、悪臭が発生。近隣訴訟となったことがありました。おからが腐りやすいこと、多くの豆腐工場が廃棄物として排出している実態、有償でおからが豆腐屋から売られていたわけではなく処理料金が支払われていたこと。
そうした客観的事実と主観的なことも含めた「総合判断」の結果、その業者は「産業廃棄物の無許可営業罪」に該当し、有罪となりました。この時、おからが産業廃棄物として正式に認定されたのです。逆に言えば、有償で適量を買い取り、有効利用しているぶんにはそうした問題にはならないと言えます。
廃棄物の烙印を押されたおからは少しずつではあるが、パウダーにして売られていたり、クッキーやらドーナツの材料、はたまたバイオ燃料として使われたりして注目されています。
早稲田大学の研究では、高脂肪食に発酵おからを混合するとマウスの脂質異常、肥満が改善されることが発表されていて、いろんな局面で役に立ち、有効活用されそうなヒントがある。
創業100年を超える「あたり前田のクラッカー!」で有名な前田製菓は昨年、「カラッとおから」と言うおからを使った新製品クラッカーを投入しました。これがやや甘めながらガリガリとした歯応えある食感でかなり美味しく食べやすい。人気でしばし商品が棚から消えることも多いと言います。
豆腐そのものは奈良時代に日本に入ってきたと言われています。江戸時代には豆腐料理のレシピ本「豆腐百珍」がとても人気になりました。「おから」ももちろん庶民のお安いタンパク源として重宝されたそうです。
また「おから」は昔からの伝統食、郷土食にもうまく使われており、「おから」を社会的テーマとして、日本中の料理人さんたちがレシピを考えたら、あっという間に廃棄物でなくなるかもしれません。
一般社団法人 日本乾燥おから協会の資料
Profile
アディットバリュー株式会社
2018年3月、農林水産省が発表した国内における食品廃棄物等は2,842万t。このうち、本来食べられるにも関わらず、捨てられてしまった食品ロスは約646万tにのぼり、前年よりも増加傾向にあります。アディッドバリューではSDGsへの取り組みの最初の一歩として、”目標 12 ”に着目しました。
そのキーワードは「おから」です。
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