2023年10月1日 15:00 〜 2025年12月1日 15:00
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ワンプラネット・ペーパー協議会
Booth Summary
私たちのバナナペーパーは、世界の森林や野生動物の減少などの環境問題と、途上国の貧困問題や女性の自立支援といった社会課題の両面を解決したいという想いから2011年に事業が始まりました。SDGsの17目標すべてにつながっている日本初のフェアトレード認証の紙で、商品名を「ワンプラネット・ペーパー®」といいます。
アフリカはザンビアのエンフウェ村(サウス・ルアングア国立公園付近)のバナナ農家(オーガニック)や村の人々とのコラボで生まれ、人、森、野生動物を守り、環境と社会に価値を産み出すフェアトレードな地球にやさしい紙です。
バナナという植物は樹木ではなく1年草ということをご存知ですか?
バナナという植物は、パルプに使われるような樹木ではなく、茎の部分が層をなして縦に伸びて樹木のように見える一年草です。これまで現地のバナナ畑の収穫作業では、1本の茎から1度しか実が取れないため根だけを残し茎も切って廃棄されてきました。切り残された根からは1年以内に新しい茎と実が再生されます。私たちのバナナペーパーは、この生態にヒントを見つけ、このオーガニック畑で有機バナナを育てている農家さんと契約し、収穫後のバナナの茎から「有機バナナ繊維」を採取しバナナペーパーの原料にしています。多くの紙に使われている原料となる木は7年〜15年で再生されるのに対し、バナナは1年で再生されます。しかも、これまで廃棄物の対象となっていた部分を資源に変えます。
【写真1】農家さんの今まで取引対象はオーガニックバナナの実だけでした。
【写真2a】オーガニックバナナ繊維はこの伐採した茎(正式名:仮茎)から採取します。今まで廃棄していた部分が付加価値として取引できることで収入の増加につながります。
【写真2b】事業開始当初は、手動で水分や余計な皮等を抜いて繊維を取り出していましたが、現在は機械を導入し重労働を軽減できるようになっています。
【写真2c】取り出されたオーガニックバナナ繊維は、アフリカの太陽の元で自然乾燥させます。
【写真2d】出荷待ちのオーガニックバナナ繊維。運搬には船を使いCO2排出の削減に勤めています。
【写真3】オーガニックバナナの根。この状態から移植ができ、1年でバナナの実が収穫できるまでに成長します。
農業に関わる人々の健康と生物多様性の保護の観点から、オーガニック農家を支援しています。 極度の貧困状態にあった現地のオーガニックバナナ農家さんも、2020年現在、45ヶ所以上になりました。 私たちのバナナペーパーの取り組みによって、これまで「バナナ果実」のみの取引だったものが「バナナの茎(従来、廃棄物となっていた部分)」も付加価値として取引できることで収入が増加し、生活の豊かさを現実化できるようになりました。また、安定した生産力によって、有機バナナ繊維を採取する「ワンプラネット・ペーパー®バナナチーム」の雇用も増やすことが可能になり、村全体の生活支援にも繋げられるようになりました。 私たちのバナナペーパーづくりの基準でもある有機栽培を実現するだけでなく、限られた土地でも年間計画量を安定して持続的に生産できるので、森林を伐採する必要がなくなり、自然保護にも貢献しています。
私たちのバナナペーパーは、「どこで作られたか」ではなく、「誰と作ったか」を信念に、メイドウィズジャパンを誇りとしています。原料の有機バナナ繊維だけでは高品質な印刷用紙はできないため、力を借りたのが、日本の伝統技術「越前和紙」の匠の技です。有機バナナ繊維に古紙やFSC認証パルプを加え、日本の越前和紙の工場で生産されているのがワンプラネット・ペーパー®のバナナペーパーです。 2020年現在では、世界11ヶ国で展開しており、名刺や包装紙、大学の卒業証書をはじめ幅広い商品に使われています。私たちはサスティナブル(持続可能)な世の中を作り、貧困や環境問題の解決につながる紙を目指しております。
ザンビアの農村部で、20人を直接雇用しており、150人を超える子供たちが学校に通うことができています(2020年現在)。また、バナナペーパーのグリーン工場では、近隣の村人へ井戸を解放しているため、何百人もの人々がきれいな水を手に入れることができるようになりました。 バナナペーパーのグリーン工場は、ザンビアのサウスルアングワ国立公園の近くにあります。この国立公園は、世界初の持続可能な国立公園に選ばれた、野生のゾウやキリンが生息する生物多様性のホットスポットです(国連2017)。素晴らしい環境の反面、極度の貧困が引き金となっての密猟が横行し、様々な種の生き物たちが絶滅の危機にさらされているのが現状です。この密猟を事前に防ぐためにも、貧困層の人々を積極的に採用し、生物多様性の教育も提供しています。ワンプラネット・ペーパー®(One Planet Paper ®)のバナナペーパーは、サバンナに息づく生きものたちの環境とそこで暮らす人々の暮らしや健康を守ることができる全てに優しい紙です。
作ってくれた人の暮らしや健康を支えます
アフリカ ザンビアのエンフエ村に住む女性たちが、バナナの茎の繊維に含まれる水分を除去し、乾燥させる作業を行っています。また、福井県の越前和紙の職人による手漉き和紙の技術指導を受け、現地で販売するパッケージやポストカードのための紙の手漉きも行われるようになりました。これらの仕事から得た収入で、安全な飲み水や栄養のある食事を手に入れたり、マラリアを予防するための蚊帳を買ったり、病院に行けたりするようになりました。 子どもや女性の教育支援につながります※ アフリカでは、3千万人の子どもたちが学校に行けず、女性たちの40%以上が基礎教育を受けられません。バナナペーパーの売り上げの一部は女性たちの教育支援にあてられています。また、バナナペーパーからの収入は子どもの就学にもつながっています。
廃棄されるオーガニックバナナの茎から作られます
バナナペーパーは、今までは収穫時に廃棄されるだけだったバナナの茎の繊維を利用して作られています。通常の樹木が10年から30年で成長するのに対し、バナナの茎は1年以内に再生成長するため、より早い循環で活用できます。
森、野生動物、生物多様性を守ります
※ 世界では毎年、日本の国土面積の約4分の1にあたる広さの森が失くなっています。バナナペーパーの原料は、バナナの茎の繊維とリサイクルパルプ、または持続可能な森林からのパルプを使用しているため、森林の保護につながります。森林は絶滅危惧種を含む野生動物の生息地であることから、野生動物の保護にもつながります。
これまで世界4大陸・約25カ国から、自国でもバナナペーパーづくりをやりたいが手伝ってもらえないかとの相談を受けています。どの国も貧困と環境問題を抱え、サステナブルなソリューションを模索しています。ワンプラネット・ペーパー®がその一つの解決策となれるよう、グローバルブランドを目指し取り組みたいと思います。
【注意】バナナペーパー類似品にご注意を ザンビアで雇用を産み出す「ワンプラネット・ペーパー®(One Planet Paper ®)」は、2020年現在、アフリカはザンビア地区のエンフエ村産のバナナペーパーのみでございます。他国産等のバナナペーパーは類似品ですのでご注意ください。
Profile
ワンプラネット・ペーパー協議会
ワンプラネット・ペーパー協議会は、日本の紙製品メーカーや印刷会社によるイニシアチブ(先導)の元、環境専門家などの協力も加わり、サステナブルな紙(バナナペーパー「ワンプラネット・ペーパー®」)を広めるためのネットワーク団体です。アフリカの貧困層の村に雇用を生み出し、現地の人々の自立を支えるバナナペーパー「ワンプラネット・ペーパー®」の普及を推進しています。
その他、フェアトレードや環境と社会に配慮した紙に関する研究、意識啓発を紙製品メーカー、印刷会社、環境専門 家、大学などと共同で行っています。”Made in Japan”から”Made WITH Japan”のコンセプトのもと、アフリカと日本の交流、技術や知恵におけるグローバルパートナーシップと、アフリカの持続可能な開発に向けた支援を目指しています。
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